
ただ、あの最初の「知らないから」享受できる強力な幸福を、
永遠に繰り返したいのがファンタジーの世界であり、
妄想の世界だとすれば、
僕はそれでも気まずい沈黙を背負って、
退屈な日常を二人で退屈に生きていくことを選ぶ。
そうやって長い長い退屈の果てにようやく、
ああ、これでよかったのだ、
と思う瞬間がやってくる。

ただ、あの最初の「知らないから」享受できる強力な幸福を、
永遠に繰り返したいのがファンタジーの世界であり、
妄想の世界だとすれば、
僕はそれでも気まずい沈黙を背負って、
退屈な日常を二人で退屈に生きていくことを選ぶ。
そうやって長い長い退屈の果てにようやく、
ああ、これでよかったのだ、
と思う瞬間がやってくる。
奥崎と男性がカフェで向かい合って座っている。奥崎は笑顔で「でね、あのね、だからね」と楽しそうに話し続けている。男性は煙草を吸いながら「ほっ・ほ・う」と相槌を打つ。奥崎は「しゃべりすぎた?」と顔を赤らめ、少し気まずそうに俯く。二人の間に沈黙が訪れる。ナレーションは、この沈黙が最初は幸せなものだったが、やがて気まずく寂しいものに変わっていくことを示唆している。